後遺障害

症状固定とは

症状固定とは

「症状固定」とは、交通事故によって傷害を負った人に対し、治療を続けても現在より症状の改善が期待できない、また治療を中断しても悪化の可能性も考えられない状態になったことを言います。

上の表をご覧ください。事故発生日の痛みや症状の程度を「10(最も重い)」と仮定しています。

事故発生後、治療を受けることにより痛みや症状は軽くなっていきます。 そのまま軽くなっていけば「0(治癒)」となりますが、ある程度の時期を過ぎると治療の効果が出てこなくなる場合があります。 具体的には、治療を受けると一時的には良くなるものの時間が経つと元に戻ってしまう、全体的に見ると痛みや症状に変化のない状態になります。

このような状態を「症状固定」と言い、お医者様と相談して診断されます。

「症状固定」となりますと、それ以降に発生した損害は請求できません。

しかし、自賠責保険に対し後遺障害の申請をして、後遺障害等級が認められますと、治療中に生じた「傷害による損害」にあわせて「後遺障害による損害」も請求することができます。

また、場合によっては、ご自身が加入されている「傷害保険」や「搭乗者傷害保険」、「交通災害共済」等からも後遺障害の保険金を受け取ることができます。

ここで注意が必要なのは、「症状固定」になったにもかかわらず後遺障害と認められなかった場合です。 これを「非該当」と言いますが、この場合「治癒」と同様の扱いとなり、治療中に生じた「傷害による損害」しか請求できません。

一般的に、自賠責保険の後遺障害と認められ「後遺障害による損害」を請求できる場合と、「非該当」によって請求できない場合とでは、賠償額に100万円以上もの差が出てしまいます。
詳細はこちらをご覧ください。

以上のことから、残念ながら「治癒」にいたらずに「症状固定」と診断された場合には、後遺障害の認定が非常に重要であることがご理解いただけるかと思います。

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後遺障害について

後遺障害について

後遺障害とは、簡単に言えば、「自賠責保険によって認められた後遺症」となります。単なる後遺症とくらべると、意味合いが少しせまいものとなります。

もう少し詳しくご説明すると、後遺障害は、自動車損害賠償保障法施行令により、「傷害が治ったとき身体に存する障害」と定義が決められています。

具体的には、以下の点がポイントになります。

  • 症状固定
    症状が安定し、治療を続けても現在より改善が期待できない状態になること
  • 相当因果関係
    交通事故による傷害と相当因果関係のある後遺障害であること
  • 永久残存性
    将来においても回復が困難と見込まれる精神的または身体的なき損状態であること
  • 医学的説明
    後遺障害の存在が医学的に認められること
  • 労働能力喪失
    労働能力の喪失をともなうこと
  • 自賠法施行令の等級に該当
    自動車損害賠償保障法施行令別表に定める等級に該当(もしくは相当)すること

なお、交通事故の実務として、後遺障害に認定されないと、「後遺症(後遺障害)による損害」は請求できません。

[目に見えやすい後遺障害]と[目に見えにくい後遺障害]

後遺障害は、1級から14級まで、35種類の系列、約140種類に分けられます。また、一方で、[目に見えやすい後遺障害]と[目に見えにくい後遺障害]に分けることもできます。

目に見えやすい後遺障害としては、傷跡が残る「醜状障害」や、腕や足、指の欠損・可動域制限など「上肢・下肢の障害」などがあります。

目に見えにくい後遺障害としては、首や腕、腰や足に痛みやシビレが残る「頚椎捻挫」「腰椎捻挫」などがあります。

とくに目に見えにくい後遺障害は、本人以外には分かりにくいため、立証がむずかしいということがあります。 ですから、どんな資料を用意して、どのように立証するかがとても大切になってきます。

たとえば、「ムチ打ち(頚椎捻挫)」の後遺症であっても、後遺障害が認定されるか、認定されないか、また、何級に認定されるかで、賠償額が100万円以上も違ってくることがあります。

代表的な後遺障害例

代表的な後遺障害例

等級認定について

交通事故の実務として、原則、自賠責保険における後遺障害に認定されない限り、「後遺症(後遺障害)による損害」は請求できません。(認定されなければ、いわば「治癒」と同じ扱いを受けてしまい、「傷害による損害」しか請求できません。)

適正な賠償を受けるためにも、後遺症が残った場合は、後遺障害の認定がとても大切になってきます。

後遺障害等級一覧表

その一方で、後遺症が残ったとしても、すべてが後遺障害として認められるわけではありません。(ここがとても悩ましいところです。)

後遺障害の等級と自賠責保険における保険金額は、自動車損害賠償保障法において、次のように定められています。

後遺障害の等級認定

後遺障害が認定されることのメリット

まず、こちらの表をご覧ください。

後遺障害が認定されなかった場合、14級に認定された場合、12級に認定された場合をそれぞれ比較したものです。

後遺障害 認定のメリット

ご覧いただいて分かるように、

・[認定されない]のと[14級と認定]された場合では、約186万円

・認定されても[14級]と[12級]とでは約500万円も違ってしまいます。

例えば、むち打ち症(頚椎捻挫)の場合、この14級と12級の違いは・・・

14級:局部に神経症状を残すもの
12級:局部に頑固な神経症状を残すもの

というものです。

後遺障害に認定されない場合はもちろん、軽い後遺障害と認定されると、本来受けることができるはずの賠償額を受けることができなくなってしまいます。

自賠責保険請求手続き・後遺障害申し立て

 

いわゆる「むち打ち症」とは

自賠責保険請求手続き・後遺障害申し立て

「交通事故でムチウチになった。」と耳にすることがありますが、「むち打ち症」とはなんでしょうか?

「むち打ち症」は、「ムチウチ」「鞭打ち」などと言われることもありますが、正式な傷病名ではなく、交通事故で首が鞭(むち)のようにしなったために起こる症状を総称したものです。

多くの方は次のような傷病名が診断され、様々な症状が出てきます。

【代表的な傷病名】

頚椎捻挫  バレリュー症候群  外傷性頚部症候群
頚部挫傷  頚椎椎間板ヘルニアなど

【主な症状】

首の痛み  肩の痛み・コリ  背中の痛み
手・腕の痛み・しびれ  頭痛・めまい・耳鳴り・吐き気など

これらが治療によって改善し治癒に至れば良いのですが、概ね半年以上治療を継続しても治癒に至らない場合、医師と相談のうえ症状固定と診断され、自賠責保険に対して後遺障害の申請を行うことになります。

「むち打ち症」は、手や腕を失った場合や失明した場合と異なり「目に見えにくい症状」であるため、保険会社はおろか周囲の人たちにも理解されないことがあり、また、後遺障害として認定されにくい(非該当の)傾向にもあります。

しかし、「むち打ち症」でも後遺障害として認められることがあり、その際には主に後遺障害14級9号または12級13号が認定されます。

14級9号「局部に神経症状を残すもの」

医学的に説明可能なもの。他覚的な所見がないものの、受傷態様や治療経過、症状の持続などにより症状の残存が認められるもの。

【14級9号「局部に神経症状を残すもの」と判断された理由】

頚椎捻挫後の頚部・上背部痛、筋緊張感、頭痛等の症状については、画像上、本件事故による明らかな外傷性異常所見は認め難く、その他診断書等からも症状の裏付けとなる客観的な医学的所見に乏しいことから、他覚的に証明しうる症状としては捉えられません。
しかしながら、受傷態様、治療経過等を勘案すれば、将来に於いても回復が困難と見込まれる症状と捉えられ、「局部に神経症状を残すもの」として別表第二第14級9号に該当するものと判断します。
頚椎捻挫後の頚部痛、肩部痛、背部痛等の症状については、提出の画像上、頚部に骨折等の器質的損傷は認められず、後遺障害診断書等からも症状を他覚的に裏付ける医学的所見に乏しいことから、他覚的に神経系統の障害が証明されるものとは捉えられませんが、症状経過や治療経過等を勘案すれば、将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから、「局部に神経症状を残すもの」として別表第二第14級9号に該当するものと判断します。
頚椎捻挫後の頚部痛、頭痛の症状については、頚椎部の画像上、経年性の変性所見は認められるものの、本件事故による骨折等の明らかな外傷性変化は認め難く、その他診断書等からも、症状の裏付けとなる客観的な医学的所見には乏しいことから、他覚的に神経系統の障害が証明されるものとは捉えられません。
しかしながら、前記画像所見、受傷状況、長期にわたる治療にもかかわらず症状が遺残していることなども勘案すれば、将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから、「局部に神経症状を残すもの」として別表第二第14級9号に該当するものと判断します。

12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」

医学的に証明可能なもの。自覚症状が神経学的所見、画像所見等他覚的な所見と整合するもの。

「むち打ち症」が後遺障害として認定されにくい傾向にあることは事実ですが、「むち打ち症」であることを理由に後遺障害がすべて否定されてしまうわけではないことをご理解頂ければと思います。

認定結果の異議申し立て

後遺障害申請手続きをしても、認定されなかった場合、または認定された等級に不服がある場合には、後遺障害の異議申し立てをすることができます。

異議申し立て

後遺障害等級によって、賠償額は大きく異なります。 たとえば、「ムチ打ち(頚椎捻挫)」の後遺症であっても、後遺障害が認定されるか、認定されないか、また、14級と認定されるか、12級と認定されるかで、賠償額が100万円以上も違ってきます。

異議申し立てをする際には、実際の症状と認定内容を調べたうえで、その症状を立証するために検査を行なったり、別の資料を用意したりする必要があります。

異議申し立てをサポートします

交通事故専門の行政書士、安藤優介が異議申し立てをサポートいたします。 まずは、お気軽に無料相談をご利用ください。

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